ステップ



かたん、かたん、じゃらり
堕ちるのか、進むのか
それすらも分からず

かたん、かたん、じゃらじゃら
ゆっくりと登っているようで、降ってもいるようで
それすらも理解できず

只、鎖に繋がれた重い脚を引き摺り
忌々しい束縛から逃れるかのごとくに
歩くしかなく

其れはきっと螺旋にも似ていて
或いは直線だったのかもしれないが
どちらにしろ、歩くしかなく

かたん、かたん、じゃらり
登っているようで、降ってもいるような
堕ちるのか、何処か遠くへ繋がっているのか
それすらも分からないが

かたん、かたん、じゃらり、じゃらじゃら
わたしはあるく
一寸先闇、奈落の底
かたん、かたん、じゃらり、じゃらじゃら
あるくしかない
この身を縛りつける鎖、引き千切れる其の時まで






メルマガVol.31掲載(2003年4月発行)
人生は階段。


// written by K_